"Out of sight, out of mind." (去る者は日日に疎し)
英語にも日本語にも、同じような意味のことわざがあります。英語バージョンだと、直訳すれば「視界に入らなくなれば、思考からも去る」といった感じでしょうか。
世の中には光もあれば闇もあります。光に目を向けている人もいれば、闇に引っ張られている人もいます。そして私たちは、そのどちらにも惹きつけられることがあります。
苦手だなと思う人がいた場合。苦手だと思えば思う程、その人のことが気になり、気にしていたくないのにいつも気にしてしまう、考えたくないのに常にその人の顔がちらつく、ということはよくあります。それは知らず知らずのうちに、その人のことに意識をフォーカスしてしまっているからです。「あの人のことなんて考えたくもない」と強く思うことでむしろ、強い念が発生してしまっています。
人に限らず、苦手な場所やシチュエーション、エネルギーに対しても、拒絶する気持ちを強く持つと、逆にそこに強くフォーカスしてしまうことになります。
良くも悪くも、自分がそれにどのように「反応」しているかどうかが、その人のエネルギーフィールドに影響を与えます。闇に力を与えたくなかったら、そして自分が闇に支配されたくなかったら、そこに意識を向け過ぎないことです。拒絶するより受け入れた方が、影響を受けずに済みます。”受け入れる=愛”のパワーの方が本来強いのです。
意識のコントロールには、ある程度の訓練も必要かと思います。雑念や頭のおしゃべりばかりを聞いてしまっている状態だと、闇に引っ張られやすいです。そのような状態であれば、まずは頭と心を鎮めることから始めることをお勧めします。
気をそらす、自分が何にフォーカスするかを決める、望まないシチュエーションにエネルギーを与えない・・こうしたことは、常に思考や想念で一杯な状態だと、集中して行うのが難しいです。まず自分をニュートラルな状態にしてからの方が、やりやすいです。
「闇」、この世のネガティビティは、恐怖心をツールとして世界のエネルギーを操ろうとしていますが、「闇」の存在そのものが、実は恐怖心でできているということを、私は確信しています。
有名人でも身近な人でもどちらでもいいので、自分が知っている、わかりやすく「闇」に引っ張られている人を一人挙げてみてください。そしてその人の一挙手一投足を観察してみてください。その人はなぜそのような行動をとっているのでしょうか。なぜ嘘ばかりついているのでしょうか。なぜ自分を強く見せようとしているのでしょうか。それはその人自身が恐怖心に支配されているからに他なりません。何かを失うことを極端に恐れているはずです。時々見せる子供じみた言動も、自分の見せかけの強さが傷つけられたと感じた時の、感情的な反応です。
恐怖心に支配されている人を、そもそも必要以上に怖がらなくてもいいように思います。どれだけ力を持っているかのように見えても、所詮それは張りぼての虚像です。一部の人を騙すことで持ち得ている、脆い、見せかけの力です。そのような虚像は、何かのバランスが崩れた時、あっという間に崩壊してしまうことでしょう。