先日、娘が通う中学校の体育祭がありました。小学生とは体格も異なり、中学生が本気で走る姿は、近くで見ていてとても迫力がありました。毎日部活で鍛えているだけあって、娘の同級生達が中学校に入学してからどんどん顔つきや体つきが精悍になっていく様は、傍目で見ていても頼もしく感じます。中2になった娘も最近は身長がちょうど私と同じくらいになり、本気でかかってこられたら負けそうです。食事も私の二倍くらいの量を食べるので、それだけエネルギーを使っているのだろうなと思います。
そんな風に見た目では逞しくなっているように見える中学生ですが、やはり中身はというと「まだまだ子供なんだな」と感じることも多いです。肉体的にも内面的にも大人と子供の狭間にいて、その間を迷い悩みながら行ったり来たりしているのが中学生のように思います。
大変盛り上がった体育祭でしたが、その余韻はまだ続いているようで、クラスの子達と今度打ち上げをやることになったから行ってもいい?と聞かれました。中学生で打ち上げとは・・時代が違うからなのか、私が育った田舎とは環境が異なるからなのかはわかりませんが、私が「打ち上げ」なるものの存在を知ったのは高校生になってからだったように思うので、カルチャーショックを受けました。
こういう質問をされてとっさにどう答えたら良いのか、こちらも初めての経験なので少し迷います。とりあえず、お店の場所を教えることと、帰ってくる時間ををきちんと守ること、などを約束させてOKしました。
その答えを聞くや否や、携帯の所にダッシュして何やらお友達に報告をしていました。普段は反抗的態度が多く、こちらが何か言えば条件反射的に反発してくる娘ですが、こういう時は一応「母親の了承」がものをいうのだなとおかしくなります。
打ち上げに行くことが決まったら、次は「何を着ていくか」でひと騒動。お風呂に一緒に入っている間、上はどのTシャツを着て、下は何を合わせたらいいのか、あれは合わないこれは生地がダメ、これはいいけどちょっとガーリー過ぎるかも、髪型はどうしよう、どのヘアバンドが合うか、etc... ずっとしゃべり続けていました。
一応基準があるようで、ガーリー過ぎるものは(ぶりっこだと思われるので)だめ。無難なカジュアル路線を採用しつつ、かつおしゃれで流行もさりげなく取り入れたい様子。イヤリングはつけていきたいけど、誰もつけてなかったらまずいから、お店に行って様子を見てからつけるとのこと。自分1人が浮いてしまうことと、おしゃれじゃない人のレッテルを貼られることを極度に恐れているようです。
そんなに他人の目を気にしないで自分が着たい服を着たらいいんじゃないの。自分が思っている程他人は気にしてないと思うけど・・などと間違っても口に出してはいけません。自分の立ち位置と、周りからどう見られているかを極端に気にするのが思春期というものです。
今、娘が思春期を謳歌していることで、私自身もなんだか青春を再び味わっているような気持ちになることがあります。大人の冷めた目で見れば、そんな服装1つで大騒ぎしている状況なんて、一笑に付す程度のものかもしれません。けれど自分の若かりし頃を思い返してみても、渦中にいる時というのは、不安と自信のなさに圧倒されながらも、何とか無難にこなそうと1つ1つが真剣勝負です。
いろいろとツッコミを入れたくなることは多々ありますが、二度とやってこないと思っていた青春を、間接的にだけれどもう一度楽しませてもらっていることには、感謝しなければいけません。私は自分の時は思春期を全く楽しんでいなかったので、特にそこに関しては少し後悔があります。「こんな時期早く終わればいい」とずっと思っていました。純粋に、もっとエンジョイしていればよかったな、と思います。