受け取る準備

 繊細で心が優しい方は、感性が豊かなので、他人をケアする福祉的なお仕事や、芸術的センスを生かすお仕事が向いていたりします。実際、そのようなお仕事に就いている方もいますし、本当はヒーリング系のお仕事や、アーティスティックなお仕事をしたいと望んでいるのだけれど、「どうせ無理」と思っていたり、なんやかんやとできない理由を挙げて自分にストップをかけてしまっている方も多いようです。

 

 もしそれが本当に心(魂)から自分が望むことであれば、やってできないということは絶対にありませんし、宇宙も応援してくれます。実際始めてみると、スイスイと導かれるように進んでいくものです。

 けれど、最初の一歩を踏み出すのが難しいのです。今はまだ子供が小さいからとか、お金がないからとか、周りに反対されるからとか、何かと障害を創り出してしまいます。本当の障害は、そういった物理的な事情ではなく、「自分にはできない」と思い込んでしまっている、内面の意識でしかないのですが。制限は、外からやってくるのではなく、内側で創り出しているものです。

 

 そうした制限を知らず知らずのうちに創り出してしまっている背景には、成長過程で身近な大人達に、自分が本当に望むことを制限されてきた経験が大きく影響していたりします。直接的に反対されたわけでなくても、周りの大人達が話す内容や声のトーンなどから、自分の進みたい分野をよく思っていないことを感じ取ったり、自分の感性に気づいてもらえなかったり、自分がいいと思うことを受け入れてもらえなかったりといった経験を重ねるうちに、次第に自分が素直に感じている感覚が信じられなくなり、自信を失っていきます。繊細で心が優しい人は、周りの望みに合わせる習性が身についていることが多いので、何に関しても、自分の本当の望みより、周囲の進める道を優先して選んできたということも多いでしょう。

 もうとっくに自立した大人であるにも関わらず、精神的に未だにその呪縛を引きずって、自由に生きられないでいる方は案外多いようです。自分らしく生きられないことほど窮屈なことはないのに、自分の人生はこうなのだから仕方ない、と諦めてしまっているのです。

 また、かつて自分が良かれと思ってやったことを誰かに否定された経験や、上手くいかずに失敗した経験などが、未だに意識の深い部分でトラウマとなっていることもあります。本当にやりたいことがあるのだけれど、また否定されたらどうしようとか、失敗したらどうしようといった恐怖心が先立ってしまい、やる前に尻込みしてしまうのです。

 

 

 見えない制限(何度も言いますが創っているのは自分です)から自由になるためには、まずは自分の意識を変えるしかありません。「私には自由がない」「私には自分が本当にやりたいことができない」「私が望むことは反対される」「どうせやっても失敗する」といったネガティブ意識から、「私にできないことはない」「私には、私らしく人生を創造していく力がある」「私のもとにたくさんのサポートがやってきて、スムーズに事が進んでいく」という前向きな意識に塗り替えていかなければいけません。

 自分の人生を創り出しているのは自分自身でしかないこと、現状を変えたかったら自分が変わるしかないこと、周り(親も含む)は関係ないということ、本当は制限など存在していないこと。これらを知り、過去の自分から切り離して、新しい自分になると心を決めることが大事です。そして何より、望む人生を創り出す許可を自分で自分に与えなければいけません。「周りに反対されるから」というのは言い訳で、本当のところは、自分が自分にゴーサインを出していないだけなのです。自分の中で心が定まっているのなら、そしてそれが進むべき道なら、周りが賛成しようが反対しようが関係ありません。

 「私には受け取る価値がない」という思いが強ければ、欠乏がやってきます。チャンスは無限にあふれていますが、受け取る体制が整っていなければやってきません。「私は両手を広げてギフトを受け取ります」という心の状態でいることが、実際に受け取るための必要条件になります。