恐れに基づいた判断

 何かを選択する時、それが恐れ・不安に基づいた決断なのか、それとも自分の直観からくる決断なのかで、受け取る結果が異なってきます。

 頭(マインド)の声を聞いてると、不安や恐れに基づいた判断になりがちです。それに対して、直観やインスピレーションに基づいた判断というのは、明確な理由や根拠がないにも関わらず(時には常識からは考えられないような突拍子もないアイディアであったりします)、なぜだか知らないけれど自分の深い部分で”こうするべきだ”とか”こうした方が良い”ということがなぜか「わかる」という感覚です。こちらの方がより高い次元と繋がった情報なので、宇宙の波に乗った、よりスムーズで迷いのない方向性に導かれます。

 前者は、判断の基準が恐れという低いバイブレーションのものなので、魂の望みや宇宙の流れに必ずしも調和したものとは限らず、本来の進むべき道から外れてしまったり、結局うまくいかなくて大きな痛手を被ることになったりします。

 

 そもそも恐れていることのほとんどは、根拠がないものか、実際に起こらないことか、自分の力ではどうしようもないことです。もしそれが本当に起こったとすれば、自分が抱いていたその恐れがまさしく現実化してしまったか、抗えない大きな力が働いているということです。手放してしまった方が身のためだし、気が楽です。

 

 ためしに、10年前の自分が抱いていた不安や恐れを思い出してみてください。そのうちのどれだけが、実際役に立ったでしょうか。そのうちのどれだけが現実に起こったでしょうか。そして、その時自分が不安に支配されていたことで、何か大切なことを見過ごしてはいませんでしたか。

 あの時から10年間、こうして無事に過ごして来られたのですから、何も問題はなかったといえるのではないでしょうか。もちろん大小様々なトラブルはあったかもしれませんが、今こうしてここにいられるということは、自分はそれらを全て乗り越えてこられたということです。それだけの強さがあったということです。つまり、10年前に抱いた不安や恐れは杞憂に終わったということです。あの時の自分は、問題が起こった時に、それに圧倒されて立ち行けなくなることを恐れていたわけですから。自分の強さを信じられなかったのです。

 20年前はどうでしょうか。その時にもいろいろな不安や恐れがあったと思います。今思い返してみて、それらを抱くに値するメリットは何かあったでしょうか。

 

 そして私はこうも思います。今から10年後、20年後、30年後(もしその時まだこの世にいたらの話ですが)、振り返って今の自分を眺めてみたとしたら、今の私が抱いている不安や恐れが、いかに意味のないものだったか、きっと未来の私は鼻で笑っていることでしょう。そんな暇があったら、もっとポジティブな未来に目を向けて今を楽しんでいた方が100倍得だよと、未来の自分は過去の自分に言ってあげたいのではないでしょうか。

 

 恐れや不安というのは、引っ張る力が強いので、ともすればそちらにどんどん吸い寄せられて、恐れベースの判断をし続け、悪循環に陥っていく危険性があります。ネガティブエネルギーに飲み込まれないためにも、自分が下している判断が一体何に基づいているのか、意識的になってみるといいかもしれません。