幼い頃、誰かの庇護下にある間は、私達にはあまり「自由」がありませんでした。あれをしてはいけません、これをしてはいけません、あれは良い、これはダメ、たくさんの制限がありました。また、こういうことをすれば(言えば)親の顔が曇るとか、逆にこういうことをすれば(言えば)大人からほめられるということを経験で学ぶと、次からは周りの大人達を怒らせないように、喜んでもらうように、賢く振る舞うように自分を演じるようになりました。それは、生きるための手段でもありました。
注目を浴びたい、認められたい、ほめられたい。子供の本能にはこうした欲求があります。それを満たすために、周りの大人達の要求を肌で感じ取り、それに自分を合わせ、動いたり話したりしているうちに、だんだん本当の自分が何をしたいのか、どの道に進みたいのか、わからなくなっていきました。周りの顔色をみて行動する習慣があまりにも長かったので、そうして生きることがすっかり当たり前のようになっていったのでした。
そういった子供時代を過ごしてきた方が大人になると、ある時期に転機がやってきます。周りが喜ぶように選んできた自分の人生が、どうもしっくりこないことに気づくのです。今の道に進むのがあなたのためだと言われてきたけど、今全然幸せじゃない。楽しくない。なんだか本当の自分じゃない感じがする。それに、いつも誰かの監視下にいるような気がする。
それは、「私」が何がしたいかではなくて、どのようにしたら認めてもらえるか、という視点で選択し続けてきた結果、肝心の「私」の望みがなおざりにされてきたからです。常に、周りの目、視線、評価を気にする習慣が続いてきたので、自分の周りにたくさんの監視の目があるかのような感覚が拭えないのです。そんなものは、幻想なのですが。
そこで、道が二つに分かれます。今までのように、「周り」にほめてもらえるような、いい子ちゃんとして生きるか。それとも、自分の心の声に素直に生きるか。
今まで通りの生き方をすれば、現状維持で、人間関係も崩れないし、何となく安心感もあります。けれど、本当に自分の人生を生きている感覚は得られないままです。自由がないからです。変化がない代わりに、喜びもありません。
自分の声に素直になると、今まで続けてきた仕事や勉強を180度変えることになるかもしれません。古い人間関係に終止符を打つことになるかもしれません。必然的に、別れや決別をすることになります。それはとても勇気がいることです。今まで顔色を窺ってきた人に、ハッキリと自分の意思を伝える必要があるかもしれません。驚かれるでしょうし、もしかしたら怒りを買うかもしれません。想像しただけで無理なような気がしてきます。
けれど、その人が自分本来の道を歩む決心をすると、不思議なことに、どんなに困難だろうと思われたいばらの道も、なぜかスッと展望が拓け、視界がクリアーになり、どっちに進んだら良いのか明確にわかるようになります。孤独な道のりを覚悟していたけれど、どこからか自分をサポートしてくれる人が現れ、助けてくれたりします。見えない世界からの援軍もやってきます。それを肌で感じるようになります。妨害や抵抗に遭ったとしても、強力なサポートも同時にやってくるので、あとは意思の力と勇気を持つことで、なんとか乗り切れるものです。
自分の心の声に従って生きる生き方こそが、本当はその人のナチュラルな姿なのだから、そのように生きようと決心した人は、抵抗しなければ自然な流れで導かれるものなのではないかと思います(もちろん、行動を起こすことは不可欠です)。それまでの、自分に無理やり制限をかけていた生き方は、ナチュラルではない状態だったのです。自分の中の恐れやエゴが、本来の自分の周りに固い殻をつくり、そこにしっかりと鍵をかけていただけです。一度鍵を外す決心をすれば、あとは「自然」に、より自分らしい人生に流れていきます。
フラワーエッセンスは、自然界のお花のバイブレーションが入っています。お花のエネルギーを取り込むことによって、自分のナチュラルではない状態に気づかせ、そこから解放させる方向に導かれていきます。より自然な、本来の自分の姿に誘導してくれるのです。人間は自然の一部なので、自分に嘘をついたままの姿は本来の姿ではなく、苦しく、満たされた感覚が得られないものなのかもしれません。