このところ大統領選などで話題が絶えないアメリカですが、スピリチュアルな分野でも世界を先導している国です。アメリカが先導しているというか、パワフルな先導者達がアメリカに集まってきている、という感じです。
たくさんのメッセージが、そういった方たちを通して世界中の人々に発信されています(もちろんアメリカに限らず、世界中どんな国にもパワフルな指導者達はいますが)。
アメリカはラジオ放送がとても盛んな国のようで、驚くほど多くのラジオ局と番組があります(インターネットで聴くこともできます)。著名な本の作者がラジオ番組を持っていたり、ゲスト出演したり、ということも多く、もちろんスピリチュアルな世界の分野でも、たくさんの著者がラジオ番組に出演しています。過去に放送された番組は、ポッドキャストなどで聴くこともできますし、お気に入りの放送局があれば、メンバーシップ登録をしてアーカイブスが全て聴けたりもします。かつて著作を読んで大きな刺激を受けた故ウエイン・ダイアー氏やディーパック・チョプラ氏、ルイーズ・ヘイさんなどの声を生で聴いた時には感激しました。
中でも、私が特に気に入って毎日のように聴いている、ある自己啓発系インターネットラジオ番組があるのですが、その中でよくホストの方達が、"surrender"という言葉を用いて話すのを耳にします。"surrender"は日本語に訳すと、「降伏する、明け渡す、身を任せる」といった意味です。例えば、ある悩みを持っている人がいて、自分でもいろいろな努力もしたけれど状況が変わらず、もうにっちもさっちもいかなくなり、行き詰っている、というような時に、アドバイスとしてよくこの"surrender"が登場します。
私は、surrenderの訳語としては前回のブログで書いた「委ねる」という言葉が、なんとなく一番しっくりくるように思っているのですが、英語の"surrender"はもっと思い切って自分の全てを投げ出す、というようなニュアンスも感じます。アメリカはキリスト教の影響が強い国ですから、人知を超えた”神”の存在に身を任せる、という感覚が日本人より強いのかもしれません。
私も、聴いているうちにだんだんとこの"surrender"という言葉の持つ力に影響を受け、日本語の「委ねる」よりもパワフルな力を感じるようになってきました。何かうまくいかないこと、自分の力ではどうしようもないこと、コントロール不可能なこと、などに遭遇した時、自然と心の中で
"Surrender..."
とつぶやいています。
ちなみに、似たような意味合いで"Let it go"という言葉が使われることも多いです。これはよく、対人関係のお悩みを抱えている人に向けて発せられています。親やわが子、兄弟姉妹、親友、恋人間などで、どうしても受け入れられない行動をとられた時、近しい関係であればあるほど、感情が動きますし、私が何とかしなければ、と思いがちになります。けれどいくら血が繋がっているからといっても、関係が深いといっても、自分以外の人間を変えることはできませんから、望む方向に物事が進まないこともあります。手助けをしたりアドバイスをしたり、自分にできることをやっても相手が変わらないのであれば、
"Just let it go!"
というわけです。「手放しなさい」「忘れなさい」といったニュアンスです。私たちはどこかで自分の力の及ばない領域があることを知ってはいるのだけれど、それでもできることは全てやりきらなければいけない、がむしゃらに変える努力をしなければならない、というような認識も同時に持っているように思います。そのような個人的な思いが強くなり、変えることのできないことまで変えようとしてしまう、変えなければいけないと思い込んでしまっている、そんなちょっと頑なな状態に陥ってしまった時に、この"surrender"や"let it go"といった言葉は、柔軟さと受け入れる勇気をもたらしてくれるように感じます。