考え癖、思い癖

 前回のブログでアファメーションのことを書きましたが、私自身、「私は~です」といった言葉を実際に声に出すことによって、意識や考え方の癖が変わっていくという経験を何度もしています。

 

「私は~です」の「~」の部分には、こうなりたい自分の在り方や、肯定的なものの考え方などを入れます。

 

 私たちは物心ついた頃からずっと、物事を「良い」か「悪い」かで判断される二元論の世界観にさらされてきました。身近に何事に対しても批判的な大人がいる生育環境で育った場合は特に、善悪二元論的な考え方を強く引き継いでしまっているかもしれません。二元論的な考え方が染み付いていると、他人や周りの状況に対して批判的になるだけでなく、自分自身に対してもシビアなジャッジをくだすことが増えます。そうなると、自分という存在に愛着が持てなくなったり、自己肯定感が弱くなったり、自分の意思を強く持つことが難しくなったりします。

 

 日ごろから自分のしたことや言ったことを振り返って、逐一自分を責めたり、「だから私はダメなんだ」といった自己卑下の気持ちが芽生えたりして、できたことよりもできなかったことに目を向けてはいないでしょうか。

 こうした考え方は、長年の習慣が引き起こしているものです。実際に私達が「ダメ」だとか、「価値がない」というわけではなく、何年も無意識的に自分を批判するクセがついてしまっているために、自分を肯定的に見ることが難しくなってしまっているのです。

 

 

 何事も気づくことから始まります。まずは、自分にそういう傾向があるな、こういう思考パターンや考え癖があるなということに気づいたら、そこから変えていけばいいのです。自分が変わるためには、まずは「変えよう」「変わろう」という意識をもつこと、そして、ちょっとした努力も必要です。

 自分がついつい「ああまたやってしまった。私はダメな人間だ」とか、「なんであんなことを言ってしまったんだろう。まったく私は馬鹿だ」といったように自分を責めていることに気づいたら、すぐにその思考を、自分を肯定する言葉に変えていきましょう。

 

「私は、私の身に起こったことを全て受け入れます」

 「私は、私がしたこと、相手がしたことを認め、受け入れ、肯定します」

「私は、結果そのものではなく、物事が良くなるために行った私の努力と善意に目を向けます」

「この出来事が私を前進させてくれることを信じ、この出来事とそこに関わったすべての人を祝福します」

「私に貴重な経験を与えてくださってありがとうございます。このことから私が学び、成長できることに感謝します」

 

etc... 

 

 肯定的な言葉であれば、なんでもOKです。とにかく、物事を悪い方に悪い方にとるクセがついてしまっているので、それをいちいち矯正していくのです。 長年の思い癖や習慣は一長一短で変わらないかもしれませんが、千里の道も一歩から。コツコツ努力していけば、必ず考え方や意識も変わっていきます。声に出して言ってももちろん良いですが、出さずに心の中で唱えても十分効果があります。

 

 最初はなんとなくしっくりこなくて、居心地の悪い感覚があるかもしれません。長年の習慣というのは、たとえ自分のためにならないものだったとしても、なんとなく安心感があるものです。人が新しいことを始める時には、いつだって勇気とエネルギーがいります。新しいテンプレートに自分を当てはめていく作業は強い意思の力と努力が必要ですが、新しい自分になってみると、もう古い自分には戻れないくらい居心地が良くなっているはずです。