感情を出すことは罪ではない

 テレビで会見などを見ていますと、大勢の人の前で話している方が、途中で感極まったりして泣き出すシーンに出くわすことがよくあります。そのような時、ほとんどの方が、声を詰まらせながら、

 

「すみません・・」

 

と言います。そして、できるだけ涙を抑えながら、極力感情を押し殺しながら、言葉を選んで話そうとします。

 

大人が、人前で湧き出す感情を抑えきれずに涙を流したり、高ぶる感情を表に出すことは、一般的に慎むべき行為とみなされているからでしょうか。

 

セッションでも、話している途中で涙ぐまれたり、意に反して急に涙が溢れてきて慌ててハンカチやティッシュなどで涙を拭きながら「ごめんなさい」と謝るお客様がたくさんいらっしゃいます。

 

そんな時私は、

「謝らなくていいんですよ。涙は浄化です。感情も、どんどん表に出してください」

 

と言っています。

 

また、涙を流すまではいかなくとも、ご自身の内面を言葉で表したり、抱いている感情について話しながら、「ごめんなさい、こんな話をして・・」と謝られる方も多いです。なぜか、そういう行為が「いけないこと」のように感じてしまうのでしょうか。

 

 

 私たちの中には、人前はおろか、自分ひとりの時でも、「感情を出す」という行為に、悪いイメージや罪悪感のようなものが大きく備わっているような気がします。それは主に後天的なもののように思います。生まれたばかりの赤ちゃんや、まだ何も条件付けされていない幼い子供は、感情の赴くままに自分を表現しますし、それに対して何の罪悪感も持ち合わせていません。

 だんだんと成長していくにつれて、周りの大人たちや集合意識の影響を受け、「感情を表に出すことはいけないことだ」「感情は抑えるものだ」といった認識が強くなり、感情がまるで悪者のように扱われるようになっていくのではないでしょうか。

 

 確かに、抱いている感情をいつでもどこでも表に出していたら、周りの迷惑になることもありますから、時と場面をわきまえる必要はあるかもしれません。

 

 けれど、感情そのものが悪のように思われたり、自分が抱いている感情を素直に受け入れられない状態が続くと、次第に心が苦しくなったり、抑圧された感覚が強くなったりして、気持ちにゆとりがなくなっていきます。そもそも感情は何か理由があって生じているのですから、存在そのものを否定していたら、行き場がなくなって心と体の奥底にしまい込まれたまま、蓄積されてしまいます。抑圧された感情は、なくなったわけではないのです。ただ、出ていく場所を失って鬱屈しているだけです。いずれ何等かの形で出してあげなければ、ある時何かのきっかけで、たまった感情が爆発してしまうかもしれません。細胞のひずみとして表面化したり、病的な症状を引き起こすこともあります。

 

 成長過程において抑圧されてきたネガティブな感情をはじめとして、過去に自分が押し殺した数々の感情は、自分の内面に蓄積されたまま解放されるのを待っています。ふとした瞬間に昔の思い出が蘇ったり、何かのきっかけで記憶が戻ったりした時は、その時に自分が感じたことを何も考えずに、ただ素直に感じてみることをお勧めします。それは、「今」、解放されるタイミングなのです。

 特にネガティブな感情は、正面から向き合うことを避けられる傾向があります。けれど、私は自分の経験から強調しておきますが、感情は一度出し切ってしまうと、もう戻ってきません。少なくとも、抑圧していた時と同じような勢力は失っています。しつこいネガティブな感情も、勇気を出して何度も向き合っているうちに、次第に小さくなり、しまいに存在が気にならないほどの規模になっていきます。

 恐る恐る中途半端に感じてみたり、そこにあるのはわかっているんだけど見ないふりをしたり、そのうち自然になくなるだろうと無視しているうちは、永遠に自分の中からなくなりません。繰り返し、悪しき感情に苦しめられるだけです。思い切って向き合ってみると、案外素直に出て行ってくれるものなのです。感情が望むままに、ただ感じてみてください。

 

 人前や、誰かと一緒にいる時に出し(感じ)切れなかった感情でも、家に帰って1人になれた時に、なるべく早く表に出してあげると、スッキリします。お風呂の中でも夜寝る前でも、いつでも、自分1人でできます。もし1人で受け止める自信がなかったら、誰か信頼できる友人などに話を聞いてもらうのもいいかもしれません。(うぶすなももちろんお手伝いします)

 

 

 フラワーエッセンスを飲んでいると、感情がまるで生き物のように感じられることがあります。私は、感情も一つのエネルギーだと感じるようになりました。感情を客観視できるようになると、それに飲まれることがなくなり、自分の中心軸にいたまま、落ち着いて対処できます。

 

 長年蓄積されてきた感情を解放してあげるエッセンスとしては、「フクシア」「パープルクロッカス」「ベビーブルーアイズ」などがお勧めです。また、感情を出すことや、浄化をお手伝いしてくれるのが、「セージブラッシュ」「クラブアップル」「Purification」などです。これらを飲んでいると、感情が湧き出てきたとしてもそれが浄化されるスピードが上がるので、感情に飲まれたり、苦しめられることがなくなり、楽です。

 また、感情に向き合うことや、自分の中に抑圧されてきたものを解放すること自体に抵抗がある場合(無意識的にでも)は、「Release」や「ブラックコホッシュ」などもいいかもしれません。