感情を悪者にしないために

 とある人の言動を見ていて、良くも悪くも感情が刺激されることが頻繁に起こるのであれば、その人と自分との波動領域が似ているのだなと思います。人は自分と極端に異なる波動を持つ人に対しては、あまり関心を持ちません。”気になる”ということは、その人の中にどこか自分と似た部分があったり、また逆にその人を見ることで自分の理想の姿を裏返しで見ていたりするのです。

 

 AさんがBさんのことをひどく悪く言っているとします。傍で聞いている分には、Bさんはさほどひどい人でもないんじゃないか、と思ったりします。他人を平気で傷つけるような極悪人というわけでもないのに、なぜAさんがそこまで怒りを感じているかというと、Aが怒りを感じる「何か」の要因をBさんが持っているからです。

 

 身内や家族などは、共通している遺伝的要素が多い上に、抱えている問題やこの世での課題なども似通っていたりするので、赤の他人よりもより”気になる”ことが多くなるし、感情もより動きやすくなるのだと思います。

 

 何にせよ感情は何かを自分に教えてくれる信号であるので、決してそれ自体を悪者にしたり、押さえつけたり、無視したりしない方が良いと思います。その感情が教えてくれることに注目して対処していった方が、結果的に自分が楽になっていきます。感情は、自分の内面が浄化されていくためのツールとなってくれるものです。

 

 感情を無理やり押さえつけようとすると、どんどん体にも溜まっていくし、それがひどくなるとある時を境に病気を発症することもあります。

 

 私達は感情を出すことは良くない、感情をコントロールすることが立派な人間のすることだ、といった教えを長年受けてきました。けれど感情は自然に発生するものですから、本来コントロールできるものではないのではないでしょうか。怒りを感じたら怒りをそのまま感じればいいし(人に当たり散らすこととは違います)、悲しみを感じたらそれを素直に感じてみればいいと思います。そして、その感情の海に溺れるのではなくて、その怒りなり悲しみは一体何がきっかけで生まれてきたのか、そこを探っていくことで、自分の内面を知っていくことができます。そして、自分の中にある傷だったりトラウマだったり思い込み、執着などに気づいていくことで、浄化が進み、心が楽になっていきます。

 そうやってどんどん余計なものを剥がしていくことができたら、もう同じような出来事が起こっても以前ほど負の感情が湧き出てくることもなくなっていきますので、苦しむことが減っていきます。

 

 ただ一時的に感情を抑えたりなかったことにしたとしても、それは根本的な解決にはなっていないので、再び似たような状況が生み出され、似たような感情を繰り返し繰り返し味わうことになるはずです。

 

 まずは、感情を悪いものと捉えるのをやめて、自分に何かを知らせてくれるシグナルだと捉えてみてはいかがでしょうか。本来、悪い感情も良い感情もないのだと思います。ただ波動の違いがあるだけ。そして私達も皆、それぞれ波動が異なるだけで、誰がどうだから良いとか悪いとか、そんなジャッジも必要ないのだと思います。