誰しもが、思い出したくもないような過去、消し去りたい記憶を持っていることと思います。もう自分の中から出ていってほしいと望んでいるのに、そうした記憶はいつまでも心の奥底に居座り続け、罪悪感や後悔の念を作りだす要因となっています。
消してしまいたい、なかったことにしてしまいたい。そのような記憶は、文字通り「消してしまう」「なかったことにする」ことができます。
というのも、先日書いたように、過去(の記憶)というものは全て幻だからです。幻は実態のないものです。実態のないものですから、変幻自在に形を変えることができます。
実際、過去に起こった出来事に対する記憶が、自分の中で少しずつ形を変えていくことはよくあることです。また同じ出来事が複数の人に起こっても、受け取る側によって反応が異なるために、その出来事に対する印象や記憶の内容が人それぞれ異なったりもします。過去の記憶とは、そもそも曖昧で変わりやすいものなのです。
せっかくなら、ネガティブな記憶としていつまでも自分の中に後生大事にしまっておくよりは、ポジティブな記憶としてそれを有効利用してしまった方が得策ではないでしょうか。過去の記憶の書き換えを行うのです。過去のネガティブな記憶とそれに伴うマイナス感情は、意識の中で暗い層となり、ハッピーな未来の行く手をいつまでも阻むことになります。記憶も感情も自由自在に変えることができるものなのですから、自分でポジティブな内容に変更して、意識のポジティブな領域をできるだけ増やしていくのが良いと思います。
そんなことができるわけない、と思うかもしれません。「できない」という思い込みはいつまでも「できない」状況を生み続けますので、もし疑いの気持ちが強いようでしたら、まず「できない」から「できる」という信念に持っていくことから始めてください。
やり方は至って簡単。いつでもどこでもできます。過去の”嫌な”記憶が出てきた時や、ネガティブな印象がぬぐいきれない過去がある場合、頭の中で一度その出来事が起こる少し前に戻ってみます。そして、その出来事が、自分にとって最高最善の形で進んでいったバージョンを思い描きます。思い描いたら、その最高最善バージョンをポジティブな気持ちと共に味わいます。自分はもちろん、そこに関わっている人が皆笑顔で、ハッピーな結末であることがポイントです。先日お伝えした、『過去のネガティブな感情を手放すワーク』とセットで行うのが良いと思います。
これは、NLP(神経言語プログラミング)の手法にもあるテクニックで、繰り返し行っていくうちに、本当に過去の記憶が変わっていき、とらわれがどんどん剥がれていくのが体感できると思います。一度で書き換えが上手くいくこともありますが、念が強い場合は何度も行う必要があるかもしれません。その記憶を思い出した時に、過去の自分が笑顔になっている姿がパッと浮かぶようになれば、書き換えが無事終了したと考えて良いと思います。
書き換えを行っている間に、自分が負の定義づけをしていた過去の印象が、少しずつ変わっていくことを経験するかもしれません。そして、過去の出来事が自分に何をもたらしてくれたのか、その出来事から自分は何を学び、何を教訓とすれば良いのか等、様々な気づきが起こったりもします。それまで目をそむけて見ないようにしていた過去に、きちんと向き合おうとする姿勢に変わったことで、今まで見えていなかった、「どうしてそのような出来事が起こったのか」という隠れた意義に気づくようになるのです。
そのような気づきを得て、マイナス感情しか抱けなかった過去に対しても、愛と感謝の気持ちが生まれてくるようになれば、魂の成長が一段と進み、進化の階段を一気に上ることになります。
なぜこのような書き換えが可能かというと、ポジティブなエネルギーというものは、ネガティブなエネルギーよりも強いからです。ネガティブエネルギーは、ポジティブエネルギーに覆われたら太刀打ち出来ないので、引っ込むしかありません。ポジティブな意識をもって、ポジティブなイメージを思い描けば、ネガティブな記憶はあっけなく退散していくことでしょう。
たとえネガティブな記憶が大変強烈で、いつまでも自分の中から出て行ってくれないと感じているとしても、手放すのを拒んでいるのは実は自分自身でしかありません。自分の意識がそうさせているのです。過去のとらわれから自由になりたいと心の底から望めば、いつでも解放されることが可能です。
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