昨日からの流れで、恋愛について考えてみました。
恋愛を扱った芸術作品は、古今東西数多く作られてきました。それだけ、恋愛とは人のインスピレーションを刺激し、引きつける魔力を持っているのだと思います。今現在も放映されているドラマや映画、本屋さんで売られている小説や漫画など、その多くのテーマが恋愛です。
私は、世間で人気がある恋愛ドラマや映画などは、ほぼ全て①物語が途中で終わっているか、②主人公のどちらかもしくは両方が死ぬか、もしくは③やむを得ぬ事情によって無理やり別れることになるか、この3パターンに分けられることに気づきました。
①は、シンデレラや白雪姫などディズニー映画に代表される恋愛の描かれ方です。「こうして、お姫様は王子様と無事結ばれることになりました。めでたしめでたし」と物語が終わるパターンです。ハッピーエンドと言いますが、私はこの手の話は本当は続きがあるのに、2人が結ばれた時点で無理やり”終わり”だと断ち切ってしまっていて中途半端だなあ、と子どもの頃から少々不物足りなさを感じていました。物語の続きはどうなっているのだろう、結ばれた後2人はどのようになっていくのだろう、と気になってしまうのです。
②もまた非常に多いパターンなのですが、『ロミオとジュリエット』がその代表格でしょう。恋愛真っ盛りの2人が、死によって分け隔てられてしまう。このようなドラマチックなシチュエーションは他にないかもしれません。死によって2人の恋愛関係は永遠に封印されてしまうわけです。
③は、例えば第三者によって無理やり引き離されたり、様々な事情によって結ばれることが許されない2人が、泣く泣く別れるパターンです。ヨン様で有名な『冬のソナタ』などがこれにあたります。
①②③のどれも、「恋愛」という魅惑的なエネルギーを特別際立たせるシチュエーションによって、人を引きつける作りになっています。①のパターンなど、私が知りたいと思っている物語の続きを本当に描いてしまったら、途中で恋愛感情から覚めた2人の姿を見ることになり、すっかり作品としての魅力が下がってしまうことでしょう。②も、もし死がなかったとしたら、物語としてさほど盛り上がらないかもしれません。③も、2人が無理やり別れたからこそ、恋愛の要素が際立っているのです。
恋愛感情というものは本来永遠に続くものではないので、恋愛がいかにも永遠に続くかのように描くためには、盛り上がっている段階で話を終わらせるか、無理やり引き離して未練と執着を残す形にするしかないわけです。
今流行りの不倫ドラマも、恋愛関係に陥っている2人の間にある「やむを得ない事情」が、物語を盛り上げる役目を果たしています。2人が結ばれることが許されないからこそ、恋愛というエッセンスが強化され、そこだけが盛り上がっているのです。もし、不倫という関係だった2人が離婚した後に正式に結婚したとしましょう。この2人は、不倫関係にあった時と同じような恋愛感情を、その後もずっと持ち続けることができるでしょうか。
このような話をすると、いつも「冷めている」とか「現実的過ぎてつまらない」といった反応を頂いてしまうのですが、本当の愛というものは何だろうと考えると、私には恋愛は愛の入り口段階のように思えるのです。そこから、本当の愛に発展させていくものなのではないかと思うのです。なぜなら、本当の愛というものは永遠で不滅であるはずですが、恋愛は永遠ではないからです。
人が愛を知るために、神様から与えられた魅惑のエッセンス。魅惑的だからこそ、虜にもなるし、それだけを追い求めてしまうこともあるのでしょう。
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