家庭に常備してあると安心できるハーブはいくつかありますが、カモミール(ジャーマン)は間違いなく殿堂入りハーブの一つです。ハーブがよく分からないという方は、とりあえずカモミールを常備しておきさえすれば、日常の大概の事態には対処できます。精油であればラベンダー、ハーブティはカモミール。家庭での二大巨塔です。
カモミールは遥か4000年も昔から薬草として用いられてきた歴史があり、かのクレオパトラも安眠用として重宝していたのだとか。消化管の健康を維持し、胃粘膜を修復する作用があるので、下痢や胃痛の際に飲むと、痛みが抑えられて消化を優しく促してくれます。発汗・解熱効果もあるので、風邪の初期症状にもとても良いです。ヨーロッパでは『子供の万能薬』として、医療用として処方される所もあります。ドイツなどでは、母乳育児のために病院で出されたり、赤ちゃんの夜泣き防止にも使われるそうです。
鎮静作用や催眠作用もあるので、神経が高ぶっている時や不眠に悩まされている時にカモミールティを飲めば、精神がなだめられてスーッと深い眠りに入っていくことができます。エジプトでは昔、「怒り」を抑えるために使用されていました。
抗炎症作用や抗菌作用・整肌効果もあるので、ニキビや吹き出物、火傷や怪我、赤ちゃんのおむつかぶれにも有用です。ハーブティとして飲むだけでなく、美容液や消毒液として用いたり、マウスウォッシュやヘアトニックとして利用する方法もあります。また血行を良くし緊張を和らげる効果もあるので、月経痛や更年期障害にも役立ってくれます。
まさに万能のハーブカモミール。我が家でも最近、娘がお腹を下して痛みを訴えてき来た際、大変役に立ってくれました。カモミールに粘膜の炎症を抑えるラズベリーリーフ、腸の粘膜を保護するマロウ、消火器の不調を和らげるローズをブレンドしたティーを飲ませ、ラベンダーやマンダリン、フランキンセンスの精油を入れた植物オイルでお腹周辺を優しくマッサージすると共に、気功でエネルギーバランスを整えました。ハーブティには、寝つきがよくなる通称”安眠”ブレンドのフラワーエッセンスも入れました。ついでにBGMには、免疫力が高まることを期待して、アルファ波が出るリラックス系の癒しミュージックをかけました。
しばらくすると「あ、お腹痛いの治ってきた」と効果を体感した娘。堅くなっていた表情も次第に和らぎ、さらにしばらくするとスース―と安らかな寝息をたて始めました。次の日の朝には痛みもすっかりとれたようで、「あのハーブティのおかげでものすごく深く眠れた」と感想を述べました。
その日以来、すっかりカモミールの威力に感服した娘は、寝る前に「今日もハーブティ飲みたい」と言ってくるようになりました。一緒に飲んでいた息子も、次第にハーブティが好きになり、同じようにリクエストするようになってきました。カモミールティを飲ませると、寝つきがとても良くなって「コテッ」と寝てくれるので、私も楽なのです。
ちょっとした体の不調には、わざわざ病院に行って薬を処方してもらわなくても、ハーブの力でも家庭で十分対処ができるものだと思っています。我が家では、自然療法を用いるようになってから、子供が病院のお世話になることがなくなりました。ここ数年、家族の誰も薬を飲んでいません(予防接種も含む)。特に難しいことをしているわけでもなく、ただいくつかのハーブや精油、そして植物オイルを常備してあるだけです。
そして、子供の体調不良にはメンタルの問題が大きく関わっていることが多いので、フラワーエッセンスも大変役立ってくれています。少し子供の元気がないなと感じた時、エッセンスを飲ませて普段より話をよく聞いてあげたりすると、ポツポツと学校であったことなどを話してくれたりします。元気のない状態を放っておくと、大抵しばらくしてから風邪や腹痛といった体調不良という形で出てくるのですが、体の症状が出る前に気づいて心をケアしてあげると、もうそこで癒されるので、身体症状が出ることはないようです。
もし体の症状として出てしまった場合でも、ハーブの力で初期段階に対処してあげれば、激しく悪化することはありません。身体的に癒されただけでなく、お母さんに構ってもらえた、愛情を与えてもらったという安心感を得たことも、体が回復に向かう大きな要因になっていると思います。
病気は精神の不調和から起こる、とバッチ博士は言いました。もし全ての人が精神の調和を取り戻したら、この世から病気はなくなるのかもしれないなあ、と思います。
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