最近書店に行くと、「引き寄せ」に関する本が少し前と比べてかなり増えており、世間のニーズが高まっているのだなと感じます。世の中の人々が、”意識と現実化”の関係性にだんだん気づいてきて、具体的にどのように意識を活用すれば良いのかが知りたくなってきているのだと思います。
引き寄せの本は、どのようにしたら自分の望みが叶うのか、細かな方法論について書かれているものがほとんどです。また、各地で引き寄せに関するセミナーや講演会なども行われていますが、同じように具体的なノウハウを教えてくれる内容のものが多いようです。
私も以前、そのようなセミナーに参加したことがありました。理想の自分になるためにはどのようなイメージングを行うと良いか、どのような思考癖をつけることが有効か、といったテクニック的なことを教えてくれるセミナーでした。そのセミナーの講師の一人は、そうしたテクニックを用いることによっていかに自分が”成功”を収めてきたか、ということを具体的な数字をスクリーンに出して説明してくれました。今までにコンサルタントを行ってきた会社の数、今までで一番稼いだ月収、自分が書いた本の売り上げ数、インターネットの閲覧者数、等々・・自分のコンサルタントを受ければ、あなたもこのような”成功”を手に入れることができますよ。夢が現実になります。素晴らしい人生を送ることができます。
このように語る講師を見ていて私は、「この方は本当に”幸せ”なのだろうか」と感じました。少なくとも、私もその方のようになりたい、という気持ちにはなりませんでした。
まだ物理的な世界にいる私達にとって、物質はなくてはならないものです。お金もなければ生活できませんし、望む人生を送るためにもある程度は必要です。決して物質やお金の存在を否定している訳ではないのですが、あまりそこに囚われてしまうと、執着が生まれて本来の”幸せ”から遠ざかってしまうことになるような気がしています。
魂の学びが深まり、意識の覚醒が進めば進む程、そうした物質的な欲は消えてなくなっていくものと思っています。あらゆる執着がなくなっていくので、何物に対しても囚われなくなりますし、そもそも人は覚醒されると、『自分は全てを持っている』という感覚になるので、物質に囲まれている現象に意味を見出さなくなるようです。
お釈迦様やイエス様のようなマスター達は、この境地にいた方々なので、物質的な執着がほとんどありませんでした(二人とも質素な身なりをしています)。囚われがなかったために、必要な時に必要な物全てがもたらされたのだと思います。これは一見矛盾しているようですが、何かを求めて必死になるよりも、『必要なものは全て持っている』という感覚でいた方が、より”豊か”に人生を送ることができます。
この地球上で生きている間、自分が望む人生を送るために当然必要となってくる物質やお金ですが、そこが最終目的となってしまわないよう気を付けなければいけないなと思います。物質的な欲望は、留まるところを知らないからです。物質的な豊かさを本当の”幸せ”だと捉えてしまうと、一体どこまで手に入れたらゴールなのかわからなくなってしまいます。物質的な豊かさを求めてひたすら引き寄せの法則を実践し、”成功”して望むものを手に入れたとしても、果たして自分の心は本当に満たされているかどうかわかりません。魂の充足感は、物質的な世界とは別の次元にあると思うからです。
あくまで物質やお金は、自分が魂を磨いていくためのツールでしかないと捉えています。そこが目的になってしまわないよう、時々立ち止まって自分を見つめ直したいものです。
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みきん (金曜日, 17 10月 2014 07:32)
こんにちは〜
そうですよね〜、ほんと最近この手の本をよく目にします。初めは「幸せになれるツール?」のような気がして少し読んだりしましたが、ちょっと違うような感じがしてきて、もう読まなくなりました(^-^: