願いを叶えるための意識の持ち方

 先日、家族でお出かけした時のこと。小学生の息子が、突然ある回転ずし屋の話をし始めました。そのお店には家族で行ったことはないのですが、帰省した時におじいちゃんとおばあちゃんに連れて行ってもらった際とても楽しかったので、強く記憶に残っていたようです。その回転ずしのお店は、注文したお寿司が新幹線で運ばれてくるとのことで、鉄道好きの息子にはそれもたまらなかったのでしょう。「僕はすごく好きなんだ!」と目を輝かせながら話し、本当に好きな気持ちが強く伝わってきました。私自身は、正直に言うと息子が感じている程は魅力を感じておらず、そんなに強く行きたいという気持ちもなかったので、「ふーん」と聞いただけでその場は終わってしまいました。

 その日は帰りが遅くなってしまったので、夕飯にお惣菜を買って帰ろうという話になりました。目的のお店が閉まる時間には十分間に合うはずだったのですが、途中思いがけず渋滞にあい、ギリギリ終業時間にお店に滑り込んだ時には、お惣菜は全て売り切れてしまっていました。さあどうしようかと考えた時に、そういえばこの近くには息子がさっき言っていた回転ずしのお店があるということを思い出し・・そうです、結局そこに行って食べることになったのでした。息子が大喜びしたことは言うまでもありません。しかも、車中で息子が「お寿司が回ってくる最後の方に座っちゃうと良いのがとられちゃうから、座るなら絶対一番前がいい!」と熱く語っていた通り、お客さんでごった返す広い店内で案内された席は、お寿司が流れてくる最上流の場所でした。初めはそれほど乗り気ではなかった主人や私、そして娘も、嬉しそうにはしゃいでいる息子に感化されてなんだか楽しい気分になり、予定外の回転ずしを大いに満喫して、お腹も心も満たされた気分で家路につくことになったのでした。

 

 今回の出来事は、完全に息子の熱い思い(信念)が現象となって表れたものでした。家族のその他のメンバーは、この日の夕飯についてさほど関心を払っていなかった一方で、息子は心の中で『自分が家族と回転ずしに行って美味しいお寿司を好きなだけ食べる』というイメージを、繰り返し思い描いていたわけです。その強い思いが宇宙に放出され、渋滞に巻き込まれて買うはずだったお惣菜が買えなくなるという事象が起こり、主人や私に「そんなに行きたいなら、行ってもいいかな」という気持ちの変化を起こし、めでたく願いが叶ったのでした。子供はピュアで大人ほど雑念を持たないので、強く信じていることは現実化しやすいものです。

 

 私達が日常で経験しているあらゆる出来事は、全て私達の信念が形となって表れているものです。それが楽しいことであっても嫌なことであっても、どのような現象であっても、自分の中で100%こうなると信じたことが、現実となって引き起こされています。

 

 今回の息子のケースは、「こうなってほしい」というポジティブな願いが現実化したパターンですが、実はこの逆のパターンも、私たちは知らず知らずのうちにやってしまっている場合があります。

 例えば、「病気になりたくない」という強い思いを抱いているとします。大抵は、このような場合は「病気が嫌だ」「病気が怖い」という”恐れ”も同時に抱いているものなので、その恐れの気持ちに引っ張られて『病気になっている自分』の姿を無意識に何度も思い描いています。本当は病気になりたくないはずなのに、「なりたくない」という負の思いに強くフォーカスしまっているので、かえって「病気」という事象に強くエネルギーを注いでいることになります。わざわざ宇宙に向けて、『病気になっている自分』のイメージをたくさん放出してしまっているわけです。その思いが強ければ強いほど、”願った通り”に「病気」という事象が現実となって自分の元にやってくることになります。

 実際身の回りに、いつも心配ばかりしている人が、その現実を引き寄せてしまっているケースはありませんか?毎年同じ時期にインフルエンザにかかると強く信じている人が、本当に毎年インフルエンザにかかっていたり(その子供もまた母親の信念の影響を強く受けます)、物やお金を盗まれてしまうことを極度に恐れている人が、なぜかしょっちゅう盗難や騙されてお金を奪われる被害にあっていたり。


 では、本当に病気になりたくなかったら、どのような思いで過ごしていれば良いのでしょうか。それは、『いつも健康で元気に過ごしている自分』をイメージしていれば良いのです。病気になっている自分のイメージは決して持たず、頭に浮かんできたとしてもそこに意識を向けないようにし、ひたすら「健康」というイメージにエネルギーを注ぐようにします。健康で生き生きと楽しく過ごしている自分の姿を思い描き、幸せな気分に浸ると更に効果的です。”幸せな気分”という波長を保つことが、実際に幸せな出来事を引き寄せる鍵となります。

 そして、心の底からそうなるということを信じること。回転ずしを引き寄せた息子も、お父さんやお母さんが反対するだろうといった疑いを微塵も持たず、ただ”願いが叶う”という意識に注力していたに違いありません。

 「試験に落ちたらどうしよう」と心配するのではなく、「試験に受かって喜んでいる自分」を思い描き、受かった気持ちになってみる(もちろん、勉強をするという行動も不可欠です)。「子供が事故にあったらどうしよう」と気をもむのではなく、「子供がいつも安全で守られている」という意識を強く持つ。「お金がなくなったらどうしよう」ではなく、「私はいつも豊かだ」という気持ちで過ごす。恐れや不安にエネルギーを注ぐのではなく、希望や喜びにフォーカスするのです。


”信念が強ければ強い程それが現実化する”――この法則の下では、「良いこと」も「悪いこと」も関係ありません。「良い」「悪い」とジャッジしているのは人間の自我であって、宇宙はそのような判断はしないからです。ポジティブな人生を歩みたかったら、自分が「こうありたい」と願うイメージを持ち、ポジティブな気持ちで過ごすことがポイントとなります。