私たちは今、意識の変容の時代を生きています。数十年前にはとても受け入れられなかったであろう、新しい価値観を抱く人々が増えてきています。そして、これからの新しい時代を担っていくために生まれてきているのが、今の子ども達です。
自分の周囲を見てみても、サロンに来て下さる小さなお客様や、お客様のお子さんのお話を伺っていても、意識や感受性が高い、新しいタイプのお子さん達が増えているなあ、という感覚があります。
新しいタイプの子ども達は、それまで平均的な大人が数十年かけて経験を通し学んできたような知識を初めから持っていて、自分が経験していないのにもう既に「わかっている」という感覚を抱いていたりします。また、感性が鋭く、直観力やインスピレーションを受け取る能力も高いので、大人がわざわざ「教えて」くれなくても、自分が必要な情報をその都度自分で感じ取り、理解していたりします。普通の人が見えないものを見たり、聴こえない声を聴いたりすることもあります。
こうしたタイプのお子さんは、幼い頃はそうした能力を隠すことなく、親や周囲の大人達に無邪気に話したりもするのですが、集団生活に入っていく頃になると、自分のそうした性質は「普通ではない」のだということに少しずつ気づいていきます。周りの人たちに変な目で見られたり、困ったような反応をされたりすることも経験していきます。そしてあまり積極的にアピールするべきではないことなのだと思ってしまい、次第に自分の能力を隠すようになったり、感じたことをそのまま述べることを躊躇したりするようになっていきます。
今現在の世の中では、そのような意識の高い子ども達を受け止められる大人の数も少なく、社会の仕組みも追いついていないのが現状なのです。幼稚園や保育園、学校といった集団生活の中では、自分がわかってもらえないと感じ、孤立感を味わっているお子さんも多いようです。
そのような新しいタイプのお子さんをもったお母様たちも、少なからず戸惑われているようです。従来の教育方法や価値観が、最初から高い意識を持っている子ども達には必ずしもマッチするものではないからです。自分が教えられてきたことや学んできたことをそのまま教えようとしても、そうした子ども達が素直に受け入れるとは限らないのです。幼稚園や学校で教えられることに違和感を感じ、時には反発することもあります。
新しいタイプの子ども達に共通してみられるのが、とても心が優しいということです。繊細で、人の感情を察する能力が高く、そして心根が優しいのです。ですので、お父さんやお母さんや周りの大人達が困っているのを見ると、そうした子ども達は、自分のせいで困らせてはいけないと、一生懸命自分を変えようと努力します。本当は受け入れたくないと感じていることでも、無理やり受け入れようとし、周りが喜ぶような良い子になろうとします。おかしいと感じていることがあっても、それはそのように感じてしまう自分がいけないのだと考えたりします。
本当は、どの子供も、その子が心の中で考えていることや感じていることを素直に表すことができて、どんな価値観を持っていても、どんな能力があっても、そのままの自分を受け止めてくれる大人達が周りにいることが理想的な環境なのだろうと思います。
けれども今はまだ、周りにいる大人達全員が受け止めてくれる状況ではないかもしれません。自分達の理解の範疇を超えることは、拒否して除外するという傾向が今の社会にはあります。それが、今の世の中の限界なのだと思います。いずれ世の中も変わっていくはずですが、少なくとも今現在は、できる範囲でできる人が手を差し伸べてあげるしかないのかもしれません。自分が受け入れられていないと感じている子どもがいたら、少しでも多くの大人達がそれに気づき、暖かく受け止めてあげさえすれば、そうした子ども達も希望を捨てずにいられるのではないかと思います。彼らはとても繊細で感じる能力が高いので、もし自分を好意的に受け入れてくれている大人が近くにいたら、特に言葉を発しなくても、自分が認められていることを肌で感じるはずです。