春先のじんましんには

 春先になると、我が家の9歳の娘は毎年、足の裏や手の平に赤い湿疹のようなものができて、とてもかゆがります。人間の体は、冬の間縮んでいた細胞が春になると広がっていき、ため込んでいた不純物などの毒素も、外に出ていくのだそうです。そのために、春先には蕁麻疹などの皮膚トラブルや、アレルギー等が起こりやすくなります。くしゃみや鼻水なども、体の中から毒素を外に出そうとする作用が働いて起こっていることです。

 デトックスが終われば、このような症状は自然と治まっていきます。とはいえ、蕁麻疹やアレルギーなどの症状は不快なので、できればなくすか軽減させたいものです。

 

 今年は、私も初めて蕁麻疹の症状が出たので、娘と一緒に肝臓を強化するハーブを積極的に飲んでみました。肝臓というのは体のデトックス器官で、体の中に入ってきた有害物質を無毒化させるという、大事な働きを担っています。春先は肝臓がフル活動する時期なので、それをハーブで応援してあげようというわけです。

 

 飲んだのは、「リコリス、ミルクシスル、ダンデリオン、ローズヒップ、ローズマリー」です。ミルクシスルやダンデリオン(たんぽぽ)は、昔から強肝作用で知られています。リコリス(甘草)はアレルギーを抑える働きと免疫賦活効果があり、ローズヒップはビタミンCがたっぷり含まれているので、内臓が炎症を起こしている時にとると良いです。ローズマリーは胆汁流排出効果があり、毒素の排出を助けます。

 

 チンキ剤を作っていたので、主にチンキ剤を舌下に垂らして一日数回飲みました(娘は水などに薄めて飲ませました)。すると、いつも赤い湿疹が手足に広がって「かゆい、かゆい」と大騒ぎしていた娘が、このチンキ剤を飲んで寝た次の日には湿疹が治まり、かゆみも引いて驚いていました。飲み始めて数日後には、湿疹が出ることもなくなりました。

 私の方は、もう少し長く湿疹が出ていたのですが、チンキ剤を飲み忘れた日には湿疹とかゆみがひどくなり、ちゃんと飲んだ日にはほとんど症状が出なかったか非常に軽かったので、ハーブが確かに効いているのだと感じました。肝臓の働きが強化されたことで、血液の浄化が進み、かゆみが引いたのだと思います。

 

 ちなみにリコリスは日本語名で『甘草(かんぞう)』。独身時代、山梨の「甘草屋敷」と言われる、重要文化財に指定されている古い住宅に行ったことを思い出します。この家は、甘草を栽培して江戸幕府に納めていたというのでこのような名前がついたのだそうです。この時代には日本でも薬といえば薬草でした。明治維新が起こり、明治政府が漢方医に医師免許を与えないという制度を設けたために、漢方が一気に廃れていくことになりました。

 

 薬草(ハーブ)の効能を身を持って体感している私としては、もっと多くの人にハーブの良さを知ってもらいたいなあと思います。